はじめに
愛犬が10mgのレクサプロ(Lexapro)を誤って食べてしまったことに気づいたとき、多くの飼い主さんは強い不安を感じることでしょう。レクサプロ(エスシタロプラム)は他の抗うつ薬と同様、犬にとってはごく少量でも中毒を引き起こす危険性があります。本記事では、万が一レクサプロやその他の抗うつ薬を犬が誤飲した際のリスク、主な症状、そして適切な対応方法について詳しく解説します。
このような場合は迅速な対応が非常に重要です。摂取から1~2時間以内に症状が現れ始め、放置すると重篤化する恐れもあります。危険性を理解し、正しい対応方法を知っておくことで、愛犬の命を守ることができます。
すぐにとるべき対応
犬がレクサプロを食べてしまった、もしくは食べた可能性がある場合は、以下の手順を直ちに行いましょう。
- すぐに動物病院または夜間救急動物病院へ連絡する
- 薬のボトルを用意し、服用量など必要情報がすぐ伝えられるようにする
- 誤飲のおおよその時刻を把握しておく
- 現れている症状があればメモする
- 獣医師の指示なしに自宅で処置しないこと(自己判断で催吐などは行わない)
レクサプロ中毒のリスクについて
たった1錠(10mg)のレクサプロでも、特に小型犬や中型犬には強い中毒症状が出ることがあります。症状の重さは犬の体重、誤飲した量、そして治療までの時間によって左右されます。
動物用医薬品としての治療用量でも、中には中~重度の副作用が出る犬もいます。そのため、偶発的な誤飲は非常に注意が必要です。
現れやすい症状
初期症状
- 嘔吐や下痢
- 元気消失または異常な興奮
- よだれが増える
- ふらつき・よろめき
- けいれんや筋肉のピクつき
重篤な症状
- 発作(けいれん)
- 心拍数の上昇
- 高血圧
- 体温の上昇
- 呼吸困難
- 瞳孔の拡大
治療方法と回復について
レクサプロ誤飲時の主な治療内容は以下の通りです。
- 早期なら消化管の除染処置
- 活性炭の投与(毒素吸着のため)
- 点滴投与(静脈輸液療法)
- 症状に応じた薬剤治療
- バイタルサイン(心拍・呼吸など)のモニタリング
- 必要に応じて体温管理
早期に動物病院で適切な治療を受ければ、多くの犬は順調に回復します。重症度によっては24~48時間の入院・経過観察が必要になる場合もあります。
予防のポイント
今後同じ事故を未然に防ぐため、次のような対策を心がけましょう。
- すべての薬を高い棚やペットが届かない場所に保管する
- チャイルドロック付き容器を使用する
- 薬は必ず収納棚や引き出しなどに入れる
- テーブルや台所に薬を置きっぱなしにしない
- ペット用の薬と人間用の薬は別々に保管する
よくある質問
犬が10mgのレクサプロを食べてしまった場合、どんな症状が現れますか?
主な症状は嘔吐、下痢、元気消失または興奮、けいれん、ふらつきなどです。重症の場合は発作や心拍数の増加、呼吸困難が生じることもあります。症状は通常、摂取から1~2時間以内に現れます。
犬が抗うつ薬を誤飲した場合、どのくらい早く動物病院を受診すべきですか?
誤飲に気づいた(または疑いがある)時点で、すぐに動物病院に連絡・受診してください。症状が出るのを待たず、早期対応が重篤な合併症の予防と回復に繋がります。
なぜレクサプロは犬にとって有害なのですか?また、リスクは何ですか?
レクサプロは脳内のセロトニン濃度に作用し、犬では少量でも中毒を引き起こします。主なリスクはセロトニン症候群、けいれん、心臓への負担などであり、場合によっては命に関わります。
犬がレクサプロのような抗うつ薬を食べてしまった時、自分で吐かせても良いですか?
獣医師に相談する前に自己判断で吐かせることは絶対にやめてください。状態や時間経過によっては危険だったり有効でない場合もあります。
犬が抗うつ薬を誤飲しないようにするには、どのように注意すればよいですか?
高い場所やチャイルドロック付き容器で薬を管理し、すべての薬は収納棚にしまいましょう。テーブルや床に薬を放置せず、落とした薬はすぐに片付けることが大切です。
まとめ
もし犬がレクサプロやその他の抗うつ薬を誤って摂取してしまった場合、何より迅速な対応が重要です。症状が現れるのを待たず、必ずすぐに動物病院へ連絡しましょう。適切な治療が早く行われれば、多くの犬は中毒から回復します。日頃から薬の管理には十分注意し、ペットの手が届かない場所に保管することを徹底してください。