まずご注意いただきたいのは、「アンブレラプラント」の名称が複数種を指す点に注意 日本で流通するのはどれ?というように、同じ呼称でも異なる種類が流通しており、それぞれ猫への毒性が異なることです。ここからは猫と観葉植物の安全リストと危険リスト(猫に優しい植物)に即して、違いをご紹介します。
アンブレラプラントの種類と猫への毒性レベル
「アンブレラプラント」と呼ばれる植物には大きく分けて2種類あり、それぞれ猫にとっての安全性が全く異なります。
エリオゴナム・ウンベラタム(安全性が高い種類)
エリオゴナム・ウンベラタムは、和名でイワブクロ(硫黄花ソバ)とも呼ばれる種で、エリオゴナム・ウンベラタムは猫に無害?安全な傾向と注意点にある通り、一般的には猫に無害と考えられています。ただし、無害な植物であっても大量に食べると猫の消化器官に負担をかけ、軽い吐き気や下痢などの「猫の植物中毒で見られる一般的な症状一覧と経過」が出る場合があります。
シェフレラ(有毒な種類)
傘の木、カポック、ホンコンカポックとも呼ばれるシェフレラ属は、猫に有毒な観葉植物 シェフレラ(カポック)は安全?症状と対処法の通り、猫に危険な観葉植物です。「シェフレラの危険性」として知られ、傘の木(アンブレラツリー)猫中毒の原因 成分と機序(シュウ酸カルシウム結晶など)のように、シュウ酸カルシウム結晶や他の有毒成分を含み、愛猫が食べてしまうと即時性かつ重い症状を引き起こすことがあります。
猫にとって危険なシェフレラの有害成分と作用
シェフレラをはじめとする猫にとって有害なアンブレラプラントには、次のような成分が含まれています:
- シュウ酸カルシウム結晶(傘の木(アンブレラツリー)猫中毒の原因 成分と機序(シュウ酸カルシウム結晶など))
- テルペノイド
- サポニン
これらは口腔や消化管を強く刺激し、即座から長期的にわたり猫に健康被害を及ぼす恐れがあります。
猫がアンブレラプラント中毒を起こした時に見られる主な症状
- 即時性の口腔刺激・よだれ(シェフレラ(カポック)猫がかじった時の症状 口内刺激・よだれ・嘔吐)
- 前足で口元を掻く仕草(猫が嘔吐とよだれを出して口を気にしている時 植物中毒の見分け方)
- 嘔吐や下痢
- 嚥下困難(シェフレラ中毒の重症例 呼吸困難や嚥下困難が出たらどうする)
- 食欲低下
- 元気消失・脱力
- 重症例では呼吸困難
猫がシェフレラを食べた時の応急処置と緊急時の対応
「猫が観葉植物を食べた時の応急処置 獣医に連絡する目安」の通り、猫が有毒なアンブレラプラントの一部を食べてしまった場合、速やかに下記の行動を取りましょう。
- 可能な限り猫の口内に残った植物片をやさしく除去する
- 直ちに動物病院や獣医師に連絡する(猫がシェフレラの葉を少量食べた程度でも受診すべき?判断基準)
- 摂食した植物のサンプルを採取し、動物病院へ持参する(動物病院に持参すべき情報・植物サンプルの採取方法)
- 症状をよく観察し記録する
- 自己判断で催吐処置などは行わず、必ず専門家の指示を仰ぐ
ASPCAなどの信頼できる植物毒性データベースの使い方(英語の項目の読み方)も活用し、素早く対応しましょう。
猫の安全を守るための予防策と安全な代替植物
「猫と同居の室内で避けたい観葉植物ランキング(毒性が強い種類)」に該当するシェフレラなどは、極力室内から除去しましょう。「猫に安全な代替植物 スパイダープラントやボストンファーンは大丈夫?」や、「猫に安全な室内緑化プラン 初心者向けの無毒植物リスト」を参考に、下記のような対策が効果的です。
- 猫に有害な観葉植物は室内から撤去する、または完全に隔離する(家庭での誤飲防止レイアウト 高さ・隔離・柵・ハンギングのコツ)
- 猫に安全な代替植物(スパイダープラントやボストンファーン)が推奨されます
- 観葉植物エリアを猫が物理的に接触できない場所や設置方法で管理する(高所設置・ハンギング・仕切りなど)
- 観葉植物の葉をかじられない工夫(苦味スプレー・代替咀嚼おもちゃ)や忌避スプレー、猫草の活用(猫が植物を噛む癖の対策 置き場所・忌避スプレー・猫草の活用)も有効
- 猫が観葉植物を食べる理由(本能・栄養・ストレス)とやめさせる方法についても理解して対策する
観葉植物の樹液が皮膚についた時の猫の皮膚刺激リスクも考慮し、異常が見られる場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
よくある質問
アンブレラプラント(シェフレラ/カポック)は猫に有毒ですか?どんな症状が出ますか?
はい、シェフレラ(カポック)は猫にとって有毒です。摂取すると口腔内の強い刺激、よだれ、嘔吐、嚥下困難、食欲不振、重症例では呼吸困難などの症状が現れることがあります。
エリオゴナム・ウンベラタムとシェフレラはどう見分ければよいですか?猫に安全なのはどちらですか?
エリオゴナム・ウンベラタムは一般的に猫に安全ですが、シェフレラは毒性が強いです。種ごとに葉や樹形の特徴が異なるため、「シェフレラと似ている無毒種の見分け方(葉・樹形の特徴)」に注目し、どちらの種か正確に見極めることが重要です。
猫がシェフレラの葉を噛んだ直後、家庭でできる応急処置は何ですか?
まず可能な範囲で口内の植物片を除去し、直ちに獣医師へ連絡してください。植物のサンプルも採取し、動物病院に持参すると診断の役に立ちます。
猫が観葉植物を食べたか不明な時、受診の目安や観察すべきサインは?
嘔吐、よだれ、口を気にする、食欲不振、元気消失などの症状がみられる場合は、すぐに動物病院を受診してください。症状が見られなくても不安な場合は専門家に相談しましょう。
シェフレラに含まれる有害成分(シュウ酸カルシウム結晶・サポニン・テルペノイド)は猫にどう作用しますか?
これらの成分は猫の口腔や消化器に強い刺激を与え、即時性の口腔炎、よだれ、嘔吐、消化管障害、重度では呼吸困難などを引き起こします。
少量摂取でも動物病院へ行くべきですか?自宅経過観察の基準は?
摂取量が少なくても症状があれば速やかに受診してください。症状がなくても念のため獣医師に相談し、今後の経過観察を指示通り行いましょう。
猫に安全な観葉植物のおすすめは?スパイダープラントやボストンファーンは大丈夫ですか?
スパイダープラントやボストンファーンは猫に安全な観葉植物の代表例です。室内緑化には無毒種を優先的に選びましょう。
観葉植物の誤食を防ぐ配置や飼育環境の工夫は?(高所設置・ハンギング・仕切りなど)
有害な植物は猫が届かない高所や隔離空間、ハンギングなどの工夫で管理しましょう。仕切りや専用スペースの設置も効果的です。
猫が口を前足で掻く、よだれが増えるなどの症状が出たら何をすればいいですか?
上記症状が見られた場合は、口内の植物片を除去しつつ、速やかに動物病院へ連絡・受診してください。
植物サンプルはどの部分を採取して病院に持っていけばよいですか?写真でも代用できますか?
猫が食べたと思われる植物の葉や茎など、現物サンプルを採取しましょう。無理なら写真でも構いませんが、現物がより確実です。
シェフレラ中毒の長期的な後遺症はありますか?早期治療で予後はどう変わりますか?
適切な早期治療により多くは回復しますが、重度中毒では腎障害や呼吸器障害が残る可能性もあります。早期対応が予後改善の鍵です。
愛猫の安全のため、わずかでも不安な点があれば、躊躇せず観葉植物を取り除いたり、獣医師に相談しましょう。






