猫の便秘とは
猫の便秘はよく見られる不調で、便が硬くなる程度から、排便がまったくない状態までさまざまな形で現れます。多くは一時的な問題ですが、放置すると重度の便秘(頑固便秘)や巨大結腸症など、より深刻な合併症につながることがあります。これらは猫の健康に大きく影響するため、早期の気づきと治療が重要です。
サイン(症状)を見逃さない
猫の便秘は、早めに気づいて対処することが大切です。便秘の猫には特徴的な症状が見られ、迅速に対応しないと緊急性の高い状態に進行する可能性もあります。
いきみと便の量: 主なサインは、トイレでいきむのに便がほとんど出ない、あるいはまったく出ないことです。いきみに痛みや不快感が伴うことも多く、体に異常が起きている合図になります。
トイレでの行動: トイレに何度も行く、急いで駆け込むといった行動も便秘のサインです。排便したいのに出せないため、焦りや不快感が強くなることがあります。
身体に出る変化: 嘔吐、食欲低下、元気がない(活動性低下)もよく見られます。消化管内に便が溜まって満腹感が出たり、腹痛による吐き気が起きたりして嘔吐することがあります。また、不快感から動きたがらず、家族との関わりに興味を示さなくなることもあります。
便秘に影響する要因
猫の便秘には複数の要因が関与します。原因を理解することで、予防のヒントにもなります。
環境要因: トイレの問題(掃除が不十分、場所が落ち着かない、段差があって入りにくい等)は便秘の一因になります。猫が汚れたトイレや使いづらいトイレを避けると、排便を我慢して便が長く腸内に留まり、便秘を招きます。
水分と食事: 水分摂取不足は便秘の代表的な原因です。脱水により便が硬く乾燥し、出しにくくなります。清潔で新鮮な水をいつでも飲めるようにし、食物繊維を意識した食事で消化器の健康を支えることが大切です。
基礎疾患: 腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症など、さまざまな病気が便秘に関与することがあります。消化器の働きや全身状態に影響し、排便回数の減少につながる場合があります。
生活習慣: 運動不足や加齢も消化管の動きに影響します。日々の遊び(インタラクティブな遊び)を取り入れ、年齢に合わせた食事調整を行うことでリスクを減らせます。
診断の進め方
猫の便秘の診断は、通常、獣医師による丁寧な評価で行われます。主な手順は次のとおりです。
身体検査: 診察では、腹部の痛み、張り(膨満)、その他便秘を示す身体所見がないかを確認します。
検査: 便秘の程度を把握し、腸閉塞などの異常がないかを確認するためにレントゲン検査が勧められることがあります。また、原因となる基礎疾患を調べるために血液検査が必要になる場合もあります。
治療の選択肢
猫の便秘の管理は、原因と重症度に合わせて複数の方法を組み合わせます。
緊急時の対応: まずは詰まっている便を取り除くことが必要で、獣医師の処置が求められる場合があります。毛玉や異物などによる閉塞が疑われるときは、原因物の除去が不可欠です。
水分補給の工夫: 十分な水分は非常に重要です。水飲み場を複数用意する、飲みやすい器にするなど、水を飲みたくなる環境づくりが役立ちます。
食事の調整: 食物繊維を増やすことで排便が改善することがあります。フードにかぼちゃ(加糖でないもの)やサイリウム(オオバコ)を加えて、繊維量を補う方法もあります。
薬と処置: 下剤や腸の動きを調整する薬が処方され、排便を促します。重度の場合は浣腸、さらに必要に応じて手術が検討されることもあります。
長期的な管理と予防
再発を防ぐためには、日頃から排便状況を観察することが欠かせません。24時間以上ほとんど便が出ない、あるいは出ないといった警告サインに気づくことが重要です。定期的な健康診断に加え、適切な食事と水分補給を含む健康的な生活習慣を維持することで、便秘のリスクを大きく減らせます。
まとめ
猫の便秘を理解し、観察し、適切に管理することは、猫の全身の健康維持に直結します。症状を早期に見つけ、原因に合わせて対処することで、より深刻な合併症を予防し、愛猫が快適に過ごせるよう支えられます。獣医師への定期相談と、日々の予防的ケアが、このよくあるトラブルを上手に管理する鍵です。






